【茗荷(みょうが)紋】

茗荷紋は、初めから茗荷の花を象ったものではなく、杏葉紋の形状が茗荷に酷似していることに着想し茗荷に改造したもの。茗荷の名は発音が冥加と同じであるため、俗に縁起のいいものと認めたことによるものと思われる。元来冥加とは、神仏の通力によって加護を受けるという意義であるが、通常はこれを前途を祝福する意味に用いている(沼田頼輔著「日本紋章学」)

中世に摩陀羅(まだら)信仰が行われたが、この神像に茗荷を供え、となりに竹を立てて参詣した。茗荷は煩悩を、竹は虚無を表わす、即ちあらゆる煩悩は竹の如く虚ろにすると解脱できるという。茗荷はこの神のシンボル。摩陀羅神は常行(じょうぎょう)三昧堂の大国主命(おおくにぬしのみこと)の変身した神で、平安初期に発生した本地垂迹(ほんじすいじゃく)に関連する神でもある。また死者や死霊を管理する祖霊信仰の祭神でもあったので、これを崇拝するものは大往生をとげるといわれた。東シナ海を往来した最澄などのの高僧のガードマンとして船中に出現したという伝説にも登場。この神は出雲・鰐淵寺に祀られている。
仏教発祥の地・印度の伝説に、むかしお釈迦さまの弟子で、すごく記憶力の弱いSの墓に茗荷が発芽、いらい茗荷は忘念の作用に特効があるとされた。・・・
なお、茗荷紋は馬のアクセサリーを紋章化した杏葉紋からの派生説があるが定かではない。茗荷と杏葉は酷似するが、杏葉の頂部には花がなく、茗荷には花がある。(伊藤幸作著「紋章」)

摩多羅神(またらしん)といって、インド渡来の神のシンボルだとの説がある。最澄(伝教大師)や円仁(慈覚大師)が中国から仏教を導入したとき、この摩多羅神が守護してくれたというので以後、大切に祀られている。いわば、仏教の守り神だ。この神が、手に茗荷を持っていたというので茗荷は一躍、仏教と結びついた。ことに天台宗と結びついた。それ故、茗荷の霊異は、たんなる冥加とばかりはいえず、神秘な威力をもっている、と信じられるようになったのである。家紋に、これが多用されたのは、こんな点からきているかもしれない(丹羽基二著「まるわかり日本の家紋」)


丸に抱き茗荷 抱き茗荷


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